おやすみなさいが言いたかった

婆さん夜は７時半から寝支度を始めて
８時には部屋の鍵を閉めて
９時には寝る
遅くとも９時半か

背が低いながらに、カーテンの真ん中の磁石を一生懸命につけ
やめてと言うのに廊下の窓の戸締りもしてしまう

リハビリを週２から週３に増やした
ボケかかっていたのもあるし、本人がもう曜日がわかってなくて
一日間を空ければ通えるみたいだったから

今日はリハビリで疲れて帰ってきただろうに
いつもとは別の娘が夜の８時に電話をかけてきた

主婦なうえに旦那は定年、老夫婦に日曜日があるのか知らないが
娘夫婦の影響か孫の影響か、日曜気分で夜に電話をかけてきた

おばあさんも前は対応できたのかもしれないけれど
９７歳になって、昨日のことも覚えていないし
自分がどこかに物をしまって忘れてしまい、盗られたとかネズミが持って行ったとか
あまり余裕のない状態


ずっと使っている携帯電話の充電もできなくなってきて
放電したりしている

慣れない夜の時間に電話がかかってきて
電話のでかたを忘れてしまい
かけなおそうとして、だれからかかってきたのかわからなくなり
手当たり次第にかけはじめたので
私に電話がかかってきた
電話にでてもお婆さんがボタンを押す音がするだけでしゃべらない
お婆さんの部屋に行って、私が叔母さんにかけて、お婆さんに電話を変わった

混乱したおばあちゃんが、今度はBBAに電話をかけてきた
BBAは直虎に夢中で、お婆さん（BBAの母）の様子を見に行くように言っても行かないので、仕方なく行くも、お婆さんは的を得ない会話しかできない

それで、居間に戻り、BBAに「BBAの妹に夜は電話するなと言っとけ」といったからか
BBAは妹に電話していて、私が「ばあさんは年相応だ」と言っていると伝えていた
BBAも、婆さんが年取って、夜の電話は難しいということを伝えていた
私も昼間にしてくれと懇願した
そしたら、日曜気分のおばさんは「おやすみなさいが言いたかった」と言っていたらしい

怒っている私は、BBAが電話を切った後に
そんなもん旦那に言えとBBAに愚痴ると
BBAが「いや、婆さんに言いたいらしいよ」と言い
さらに「あの子は保母さんもしていたからわかっている」などと謎の言葉を吐いたので
婆さんに見立てた人形にでも言っておけと切れた


夜に婆さんを刺激すると
廊下の電気のスイッチを入れたり消したりが始まる
婆さんの部屋にもトイレがあるのに、共用のトイレの扉をぴったりと閉めに来たり
夜中の２時くらいに廊下を歩いたりする

体力的に外に出て行ったりはしないけれど
夜はあんまり刺激してもらいたくないね

一緒に暮らしてない人はやっぱりわからないと思うよ