朝親父がいなくてBBAが探した
自室にいない
風呂場にいない
当然居間にもいなかった
2階からエレベーターで降りると
親父が土間でひっくりかえってバタバタしながら
汗をかいていたらしい
尻で這わせて手すりまで行かせ
尻をうかせた瞬間に、婆さんの栄養ドリンク缶の入った箱を
尻の下に敷いて
手すりをつかって起き上がらせたらしい
尻で這わせるときは、BBAは足で蹴って加勢をし
ドリンク缶の入った重い段ボールを尻の下に入れて
起き上がらせた
よくわからないがすごいことだ
そのまま玄関から出て行って行方不明になる認知症の老人は居るし
すきにさせてほおっておけば死んでしまうのに
一生懸命に探したらしい
そんな風にして一生懸命に世話をしてくれるのは
BBAだけなんだよと、親父には言い含めた
それに今介護施設や精神病院に入れてしまうと
コロナで面会できないから
家に置いているのだから
ちゃんと協力するように言った
親父は玄関から、婆さんの家のあるところに行こうとしていたという
遠いし、どうやってとか
お金はとか交通手段はとか
行ってどうするのかとか一切考えずに
ただ行こうとしていたらしい
だれかに呼ばれたとか
あの世から呼ばれたとか
そういうこともなしに
ただ次のことを考えて、するだけ
もともと家にいることがなかったらしいから
リハビリと家の往復だけなのもあるけど
コロナだから、うんこ漏らしながらまでどこかに連れていくのもちょっと
結果として、前買ったエロビデオを再生してやることにした
前買った、雑誌の付録のDVDは裏面が傷だらけになっていた
つまり、エロビデオを再生しようとしたが
できなかったような傷だった
エロビデオをみせたらみせたで
消耗して、弱るまで観たがるのが困りものだが
玄関まで行って、土間でひっくりかえる元気も困ったもので
とりあえず暖房の効いた部屋でひっくり返ってくれたほうがまし
12月の寒空の玄関で
玄関の鍵が開けられず、玄関のドアも開けられなかったことは
さいわいだったのだろう
そうまでして生かしたいのか
わからない
でも死んだら死んだでめんどうくさいし
悲しいかもしれない
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