親父が大を漏らしたと聞いて
くさいキッチンで料理したくなかったので
においきつめの料理を買いに行った
すきやで牛あいがけカレーとか、キムチ牛丼を注文して待っていたら
BBAから電話がかかってきて
親父から血が出たとか言って
どこから？
漏らしたとこから？
BBAが、救急車を呼んだ方がいいだろうかと聞いてくるので
帰ってからと言って
帰ってから、親父のデイケアの運営している肛門科のある病院の
診療時間を見ると終わっていた
脳梗塞で通院している病院には
入院もしたことがあり
BBAが電話していて、救急外来で診てもらえると聞かされた
持って帰った牛丼も冷めるし
食べて行ったら？と言うと
親父も食べると言っていたので
二階は臭いので、婆さんに飯を分けてから
自分達は自室で食べた
私は運転できないので
運転と車いすを押すのに、男が病院に行ってくれた
私が家に残ったのは
留守番のできる犬のためではなく、
認知能力の低下した、98才の婆さんのためだ
婆さんは、なんにも理解しないで
自分のことだけなので
家に1人で置いておくと
いらんこと居間を覗いたりして
誰もいないと、鍵をかけてまわったりするのだ
カギをかけるのだったらいいけど
家じゅう徘徊されて、何をするかわからない
だから、婆さんがいる以上
だれかが家に残らないといけないのだ
そして私はうんこくさい家に取り残された
婆さんの鼻はとっくに壊れていて、無臭の世界に生きているので
婆さんの心配は必要なかった
そろそろ婆さんの徘徊する時間だなと思い
二階に上がると、しめ切ってストリーマーつきのエアコンが入っていた
マスクをしていても、頭痛がして、
窓を開けても、違和感があった
それで、親父が歩く範囲を
セブンイレブンの床用ウェットシートでふいてまわった
裏表使うので、1回目は安全なところを拭いて
裏を使うときに危険なところを拭く
何枚も使うので
使用済みシートは、レジ袋にどんどん捨てる
最後は、口を縛ってゴミ箱に捨てる
掃除しない、ホコリ耐性MAXのBBAは
当然扇風機も掃除しないので
ファンを分解して水洗いした
乾かしてからキッチンペーパーで残った水分をふきとり
再度組み立てた
スプレーをあれこれ撒くというのも効くけど
やはり、うんこそのものが歩いた場所の汚れをふき取るしかない
除菌シートは、本人以外の安心のためにある
親父はいろいろ診てもらって
家族は23時に帰ってきた
BBAと犬は普段22時に寝るので
疲れたろう
HCUでの面会は、12時から13時にしてくれと言われた
しかし朝になると
BBAに電話がかかってきて
親父が点滴を抜くということで
困っているらしかった
親父は脳梗塞で、人並みの知能がないので
迷惑行為があるのだ
点滴は抜くし、ナースコールは鳴らすし
迷惑な患者だ
家族はわかっているけど
それでも、保護責任者でもあるから
なにか異常があれば、病院に連れていくしかない
それで、BBAが10時半に面会に行くと言い出して
用意できないから、一人で行ってとか
30分かかるよ
と言ったが、結局BBAはどうせ待ちきれないのだから
1人で病院へ行った
病院に行っても、親父は絶食だし
帰るとか、帰れないよと言うとどうして、とか
不毛なやりとりを繰り返すだけなのだ
最近、携帯は休みで外出する日曜日にしか持たせてなかったのが幸いし
病院に行ったとき携帯電話を持って行かなかった
これで夜中に「帰る」「帰る」の電話がかかってこないで済む
昨日の夜、男に
親父が入院したから旅行に行くとか
想像で不謹慎な考えを言ったが
婆さんと犬が居るから無理やねと言った
まぁそのくらい
要介護の人間と一緒に暮らしていると
自由はない
家で絶食なんてできるわけがないから
やっぱり、病院で看てもらうしかない
前は食道と胃の間から出血して
2週間くらい入院した
今回は腸らしいので、どうだろうか
まぁいよいよ体のほうが寿命をむかえようとしているのだろうか
迷惑な人間でも
やっぱりいなくなることを考えると
まださみしい気持ちはあるのだった
まぁ自分がシモの世話をしているわけではない
ということが一番大きいだろう
BBAは親父が大を漏らして
叫んで、怒鳴っているけど
このまえ鰻弁当を食べさせたら
親父が満面の笑みで笑ったと
喜んでいて
こんな状態でもすきなのかなぁと
不思議に思った
親父は入院することを聞かされると
病院のベッドの上で運ばれながら、身を起こしたまま
「僕はぜんぜん元気です」
と繰り返し言っていたらしい
普段の「いきよる」「いきよるだけ」
を繰り返しながら歩くレベルで
「僕はぜんぜん元気です」と
ずっと言っていたらしい
「どこに行くんですか」
「入院するんですよ」
「僕はぜんぜん元気です」
のループ
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